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知事候補が相乗りなのは、議会が相乗りだから

滋賀県を車で走っていて知事選の選挙カーを見かけたときには、ちょっと素人ぽい雰囲気の呼び声だったので、これほど大差で勝つとは思えなかった。最初は意外な感じがしたが、決まってみると相応しい人が選ばれたものだと思う。

滋賀県知事選:自民ショック 民主は「相乗り禁止」徹底

感心したのは新聞の記事にあった2つのエピソードだ。
(1) 新知事になった嘉田氏が県内の裏路地までをよく知っていて自ら選挙カーに指示を出していた(朝日)、(2) 「もったいない」という言葉は滋賀県で年配のひとが良く口にしていたのを聞いたから(毎日)。学者といってもフィールドワークを重視してきた人だから、地方政治への道も開けていたのだな。

それにしても、今回の連合滋賀と民主党にはがっかりした。特に民主党はこの選挙を機会に新幹線駅反対に梶を切るべきだ。それができない民主党の県議会議員は離党して自民党に行くのが政治家としてのけじめだろう。

新幹線駅が「土建屋に甘い滋賀県政」の最たるものであることは、明らかだった。田んぼの真ん中にひとつ駅を作るのに250億以上かけるなんて、まずは算盤があっていない。採算が見込めるモノなら、JR東海が自分で建てる。そんな駅を無理しても作りたいのは「新幹線駅にも近いびわこ新空港」のシナリオが次に控えているからだ。そんなことで新幹線駅を推進している人間は、新幹線に乗るつもりなんかさらさら無い。欲しいのは「新空港の建設」なのだ。
滋賀県南部に新駅が必要ないことは、政治ではなく地理で理解しなければならない。京都駅に十分近く、かつ在来線鉄道アクセスが完備しているので、実質「こだま」しか停まらない駅など利用価値がない。そもそも滋賀県南部は交通網が充実している。交通の要衝であった歴史的な背景もあるし、昭和期における県政が交通整備を重視してきた成果でもある(これは素晴らしかった)。では、今日の政治家はさらに新幹線駅を作るべきか?…ちゃんと考えてくれ。
新幹線新駅の経済効果を説明するのに、推進派は「品川駅」を例に説明してきた。自民党支持者でもこの説明には呆れるほかなかった。どうして品川新駅が参考になるのだ?空港大事で新幹線に愛情のない推進派はむちゃくちゃな説明をして自らの墓穴を掘っていたように思う。
駅を作れば発展するという人は、米原や岐阜羽島の駅を忘れているのだろう。両駅がどんなところかは滋賀県民の多くが知っている。現職知事は新幹線を選挙の争点から外すのに必死になったが、8年間の実績を強調すればするほどに、有権者は新幹線駅と空港建設が現職の公約と功績だったことを思い出していた。

話を最初に戻そう。そこで民主党はいったい何を有権者にしてくれたのだ?「暴走する空港建設推進派と知事、おかしな説明をする政治家、呆れる住民」。これだけ、条件が揃っていたのに、有権者に「別の選択肢」を与えてくれたのは、民主党ではなかった。民主党は県議会で自民党と相乗り状態。自民党と同じ政策判断しかしてこなかったから、知事選挙で「別の選択肢」を用意できなかったのだという。連合滋賀も、そんな民主党を何となく支持(強くは支持してなかったようだけど。公示前から新幹線駅について知事を糺していたが、論理のない回答にうやむや)。

民主党の価値が問われている。支えている連合の価値も問われている。新知事は県議会に基盤が無く、苦戦すると伝えられている。どうする民主党、どうする連合滋賀? しがらみを整理して、時代を変えていく勇気をもって欲しい。民主主義のために有権者に選択肢を。
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滋賀ではいい選挙があったものだ。ぼくが暮らす京都では、相変わらず「反共産」の一本槍で50年前から時計の針が止まっている(止まっているのは思考か?)。政治家はちゃんと政治の話をしろよ。選択肢を示してくれ。

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