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光学の教科書

仕事上必要で、光学の勉強をしている。
これまで光学を学ぶ機会は無かった。ぼくが子供の時に、教科書には虚像や実像という言葉はなかったと思う。大学に入ってからも、特に学ぶ機会もなかった。特に専門でなければ、工学部を卒業しても光学を一般科目で習うことは少ないのではないだろうか。
まとまった勉強用の本を探してみると、いいのが見つからない。どうしたことか岩波/現代工学の基礎(全32冊)にも光学についてはふれられていない。先日お会いした東工大の先生に伺ったところ、ボルン Max Born の「光学の原理」を勧められた。先生曰く、「古いけど、あれしかないでしょ」。ボルンはノーベル賞を取った高名な物理学者。この原著は、もう70年以上前に書かれたものだ。近くの書店に無かったので、Amazonで全3冊を購入した。専門書なので揃えると結構高い。幸いにして3冊とも古本(Used)で買えた。
しかし、内容をみて唖然。延々、数式が展開されているのである。正しい、確かに正しいのだろう。ベクトルと行列を眺めていると、なろほど光も電磁波なのだと思う。でも、式の展開について行けない。内容の実感がわかない。ぼくは電気が専門では無いので、みえない電磁波を式の上で展開する感覚が分からない。これが好きな人もいるんだろうなぁ、という気持ちだ。数式から世界がみえる人は確かにいるが、ぼくはそうではない。

しばらくして、図書館で別の教科書を見つけた。Eugene Hechtによる「ヘクト光学」である。数式もあるのだけれど、とにかく図と写真が多い。まず、直感で理解できるように書かれている。例示も細かくて大学の講義を聴いているようだ。ぼくは専門でもないので必要なところだけ拾い読みだから、こんな本がとても助かる。数式の書き方も今日風だ。これだけの教科書が日本語で読めるのも助かる。

ということで、数式だけの世界が苦手という人はヘクトを手にすることを強くお勧めする次第。ボルンが好きという方は…、ぼくはたいへん尊敬します。そういう才能がうらやましいです。

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ブログを投稿するときにはインターネットで調べものをしながら書き進めるのだけど、書いているうちに新たな発見をすることがある。今回もそうだ。ボルンの光学の原理 (Principles of Optics) の第7版(1999改訂)が、30年前と同じ草川徹訳で出版されるらしい。光学の原理(第7版) …現在のところ、3分冊のうち第1巻のみの発売。数式中心だろうから、ぼくは購入を遠慮しよう。

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松下の垂直立ち上げ力:DMC-FX9

松下のコンパクトデジカメの主力機種は500万画素のDMC-FX8。大ヒットした前作のFX7からのモデルチェンジ。良くできているのでぼくも自分で買う候補に挙げていた。6月4日に発売されたばかりでもあり、店頭での売れ行きは上々らしい。品不足で、店によっては手に入らないこともある。
それがもう新機種が出るようだ。松下電器から正式な発表は無いものの、次機種としてDMC-FX9があるという噂がネットで流れていた。現行機種販売からあまりに早すぎるから、ネタ扱いのフシもあったが、どうも本当らしい。

PANASONIC Nordic - DMC-FX9 (ノルウェー松下電器)
DMC-FX9_2

ネット上の噂では様々な機能の搭載が(願望も含めて)予想されていたが、500万画素から600万画素にCCDが変更された他は、デザイン、重量、電池寿命も変更無し。写真で見る限りこれまでのモデルチェンジと同様に、右手がかかるところの横線の形状が変更されている(写真クリックで拡大イメージ)。最近のトレンドであるISO感度もFX8と同じでISO400が上限だ。このサイトにあるFX9のボディカラーはFX8にないグレー調だから、FX8とFX9は併売するのかもしれない。ノルウェー松下電器のサイトなので、信頼はしてもいいだろう。最近ではDMC-FZ30の発売がやはり海外の販社サイトからまずリークされた

しかし、ぼくが驚くのは「松下電器の垂直立ち上げ開発力」だ。発売したばかりの機種の次機種が、すでに販売できる状態になっている。CCDを代えただけとはいえ「タマ出し」が実に早い。それに発売前なのにどちらかといえば辺境の地(失礼;松下の企画開発がある日本からかなり離れたところという意味で)の販社でも、十分なカタログデータを持っていて、美しいデザインのWebサイトが構築できている。情報が開発から製造、販売まで上手く行き渡り、かつおおむね管理されている。底力があるなあ、松下電器。

2005/7/19 追記
カタログで気になったことを一つ

Still Image: 4:3 Aspect Ratio: 2816 x 2112 pixels,2048 x 1536 pixels, 1600 x 1200 pixels1280x960 pixels, 640 x 480 pixels 3:2 Aspect Ratio:2816 x 1880 pixels, 2048 x 1360 pixels 16:9 Aspect Ratio: 2816 x 1584 pixels, 1920 x 1080pixels Motion Image: 4:3 Aspect Ratio: 640 x 480pixels, 320 x 240 pixels

静止画で3対2モードが追加になっているようだ。16対9というのは日本国内の特別な事情によるものだし、カメラ業界的には横長フォーマットといえば3対2なので自然な結果。でも、フォーマットが多すぎて撮影メニューが煩雑になると思う。どちらにしても、このワイドフォーマットは上下を切り落としただけで実につまんない。コスト的には正しいけど、撮影する楽しみはあまりない(購入者のほとんどはなぜ楽しみがないのか理解できないとすれば、工業的には松下の判断は正しい)。
イメージサークルをいっぱいに使えば、少し広角なワイドフォーマットができるけど、素子面積が大きくなるからコスト面では採用できないだろう。一眼レフクラスで競争が激しくなれば、どこかが差別化のために採用しないかな?(あてもなく、希望)

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株を買ってみた

小学4年の時から日本経済新聞を読んでいるぼくは、25年ほど前に姫路にあるグローリー工業という会社の株が、500円玉の発行をきっかけに高騰して、その社員がそれで家を建てた話を良く覚えている。確か夕刊に掲載されたその記事を見て、打ち出の小槌みたいなものの存在に興奮させられた。もっとも、両親はめったなことで株など買うことは無いと言っていた。父が買っていたのも勤務先の株ぐらいだ。そう、以前は株式を買うなんて、大金持ちがすることだと思っていた。今は、単位株も小さなものが増えてきて個人でも買えるようになった。企業にしてみれば、持ち合いの解消で個人投資家にも購入してもらわなければならなかったのだが。
大学時代の友人たちは、数年前から数十万円程度の投資を楽しんでいた。ちょっとした損得、株主優待、経済の勉強、とそれなりに楽しそうだった。それでぼくも、「東京三菱ティーディーウォーターハウス証券」なんて、合理性に欠ける長さの名前を持った証券会社に口座を作った。東京三菱にしたのはDCカード系で口座開設キャンペーンがあったからという安直な理由だ。ところが、口座開設から5年間、株は一つも買わなかった。安月給でさして貯蓄が無く、社内預金と財形貯蓄枠だけで間に合っていたからだ(社内の高金利貯蓄がぼくの会社では福利厚生の柱なのだ)。その間にその長い名前の証券会社は「Meネット証券」とずいぶん短い名前に変更されていた。またこの親会社の銀行が長い名前になるようだが、しばらくすればこれと同じように短い名前の看板に直すのだろう。(それにしても「東京三菱」から「三菱東京」にするなんて、どういう配慮なんだか? 以前のエントリにも書いたが、だまされる人だっているかもしれない。)
そのぼくが株を買う気持ちになったきっかけは、会社の企業年金の一部が確定拠出年金になったことだ。401kなんて言葉を知ってからは10年、何もしなかった(知っているだけじゃ、勉強しないよね)。一部とはいえ、我が身のことになって初めて本気で投資のことを考えて、考えを変えたのだ。結婚して4年が経ち、多少の資金余裕も出てきたので、始めてみるにはいい時期だ。株式投資なんてリスクのあるものは、年をとってからじゃ遅すぎる。今、手元資金は少なくても、勉強がてらに始めてみようと考えた。
もうひとつは、松下との訴訟でジャストシステムの株が下落したこと。ジャストシステムの企業価値があの訴訟の内容で大幅に下落するのは、エンジニアのぼくとしては納得できなかった。ジャストシステムの価値は安定度の高いアプリケーションの開発力にある。そう考えると、ジャストシステムの株価が割安に思えてきて、そんなことなら買ってみようと考えてみたわけだ。
儲けたいという欲はやまやまだけど、こういう時は「方針」を立てるのが大事だろう。方針がないと、ふらふらした投資で銭を失いかねない。ぼくが立てた方針は、
 ・投資総額は100万円まで。
 ・秋までに9万円(旅行で使った飛行機代)を得る。
 ・知っている会社に投資する。
 ・中長期の値上がりを期待する。
の4つだ。転んでも泣かない程度の勉強にしようと言うわけだ。単位株が小さくなっているから100万円でも複数の銘柄に十分投資できる。
結果、この4ヶ月で購入したのは、
 ・ジャストシステム (420円)
 ・イーアクセス (90,000円)
 ・ヤマハ (1,500円)
 ・西松屋チェーン (2,560円)
の4つ。どれも比較的よく知っている会社だ。このうちイーアクセスが暴落して、一時は12万円の損失になったときは冷や汗がでた。今は総計で+4万円になって、一息ついたところ。身銭を切るというのは、実に勉強になる。何より言い訳をしなくなる。決断力のいい練習になってるかも?。もっと、早くに始めておけば良かった。これは面白いな。

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Cool! Google Earth

エイスケ・ブログで行ったことのある国を塗りつぶすという話が紹介されていた。旅行の思い出がよみがえってくるんだろうな。楽しそうだ。数多くの国を回ったことのある人にうらやみを覚えつつ、幾つかのブログを回ってみた。
でも、赤く塗られた地図を見ているとぼくの旅行をするときの感覚と違うように感じていた。例えば、ぼくは確かに、カナダと米国に行ったことがある。それで北米全体を赤で塗りつぶすような制覇感はない。旅行の思い出はいつも「足で歩く感覚」とともにある。現地の地図を手に入れて、公共機関のフリーパスを買って、道に迷いながらもその都市を歩いて回るのがぼくの旅行。だから、国を塗りつぶすのではなく、都市にピンマークを付ける方がすっきりする。
ぼくは旅行の経験を「ミラノに行ったことがあります」と都市の名前で言う。ミラノで3日間過ごした思い出はあるけど、実際にミラノ以外のイタリアには行ったことがないからだ。ぼくの妻は「イタリアに行ったことがあります」と旅行の経験を国の名前で言う。独身時代に行った海外旅行が「イタリア紀行8日間」みたいに一都市あたり一泊で周遊するものだったのが影響しているようだ。

世界地図の話に戻ると、赤で塗りつぶすのでなくて都市にピンマークを付けるとしても、まばらだからそんなに格好良くないなと想像していたのだった。そんな折、Google Earthのβ版が発表になった。これはすごい。本当にクールな世界地図だ。地球全体からその都市の写真をズームアップしていくなんて画像処理が自分のPCでできるなんて!試しに、バグダッド(Baghdad)をズームしてみると良い。イラク戦争のとき、久米宏が指していた地図を自分のPCで操ることができる。地球上の違う点に移動するアニメーションも実に自然だしわくわくさせられる。Googleが用意してくれているアメリカの観光地へのショートカットも楽しいものだ。
Google Earthはもちろん日本国内も見ることができるのだけど、東京以外は写真が粗い。わが京都も解像度が悪くてさっぱり面白くない。でも、米国と幾つかの海外の都市は充実しているので海外の方が楽しめる。そして、良い解像度の画面が用意されている街では、自分が歩いた記憶を思い出さしてくれるには十分なほどの画像が見られる(欲を言えばもっときれいだといいが)。
これまで訪れたところを、片っ端から見てみた。旅行の記憶を思い出さしてくれるという点から良かったのは、
 ・ボストン Boston (米国)のマサチューセッツ工科大学
 ・バルセロナ Barcelona (スペイン)のグエル公園
の2つ。同じバルセロナでもサグラダファミリアは工事中の一角にしか見えなかったりして、衛星写真と自分の目線の違いを感じる。
まだベータ版だから、サービスがいつまで続くか分からないけど続いて欲しいな。Google Earth上に行ったことのある場所のショートカット集が作れたら、ぼくとしては「訪問ポイント」リストになってうれしいな。あんまり流行ってサービス停止は困るけど(とくに日本の場合、GoogleMapともまだ連動していないし、サーバの負荷の割に収益にはつながらないだろうから;現にダウンロードは今日現在停止中)、本当にお勧めです。

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