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父親になった +グッド・ニュース

妻が女児を出産した。

知人からもっとも良く聞かれる質問は、「立ち会い出産をしたか?」だ。予定日を10日以上過ぎての帝王切開だったので、もちろん立ち会いではない(手術だからね)。もっとも、通常分娩でも立ち会うつもりはなかった。妻が立ち会いを望んでいなかったので。

出産時に容態が変化して手術に切り替える場合は「緊急手術」というが、今回の手術はそれとは異なり、事前に予定されていたものだった。前日に入院して、絶食、点滴の上で翌日に手術をする。緊急手術に比べればリスクが低く、子どもや母体への負担は小さい。通常分娩が困難との診断を受けての選択だった。手術前日にインフォームド・コンセントの手続きをとった(リスクについての説明を受け、サインする)。
複数の産婦人科医と小児科医が常駐している産科の専門病院だったので、とても設備が整っていた。超音波による診断で性別はもちろん出産時の予想体重まで分かっていた。その上での切開出産なので、実に管理された出産ということになると思う。それでも心配なものだ。ぼくに何ができるわけでもないが、手術当日に休暇をとり、安産祈願をした神社に参拝してから、ぼくの母親を連れて病院へ行った。
切開による出産は、少し不思議な感じだ。ぼくも知らなかったが手術開始後、10~15分程度で子どもが産まれてくる。母親の方は様々な処置が必要なので、その後1時間ほどしてから手術室から出てくる。予定通り女の子が、ほとんど予定通りの体重で産まれてきた。良く泣き、良く動く元気な子どもだ。それから1時間ほどしてから医師が退室。しばらくしてから、妻が病室に運ばれた。手術中に産声は聞いたらしい。手術の後半から寝ていたそうだ。妻には点滴や麻酔やらの管、心拍のモニタが付いている。しばらく、動けそうにない。DVカメラで新生児室にいる我が子を撮影してきて、妻に見せたら喜んでいた。
帝王切開は手術の中では危険の少ないものとはいうが、やはり普通の開腹手術と同じように大変だ。浮腫(帝王切開に限らないが手術後にエコノミークラス症候群みたいな血栓形成による死亡例があるらしい)の防止のための機材を脚に付けていた。麻酔が切れてくると体のあちこちが痛いと言っていた。退院までには10日はかかりそう。実はぼくも帝王切開で産まれているので、手術による出産に対しては素直に受け入れた感じだ。

実はこの日もう一つのニュースがあった。昇格試験の発表があり、病院にいるぼくに上司から電話で昇格内定を伝えられた

出産と昇格が同時に決まったが、妻が病室で伏している状態では喜びも全開には感じられなくて、不思議な日を過ごした。

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GoogleがあればこそのBlog

梅田望夫さんがITに詳しくない人のためにブログを説明している。(→産経新聞「正論」欄(2004年3月6日掲載)「ネット上に増殖する「Blog」」。梅田さん自身によるのコメントはCNET Japan Blogで。)

ITに多少は詳しいつもりのぼくが、ハッとしたのは、

情報技術の成熟によってもたらされつつある ものによって、
書き手の意識も「書いてもどうせ誰の目にも触れないだろう」から「書けばきっと誰かにメッセージが届くはず」 に変わってるとのというくだり。

今現在のぼくの書き手意識はまさにここにある。自分の生活の中で起きたことのうちいくつかを、不定期に書いているこのぼくのブログを、定期的に読んでくださる読者の方はないと思う。でも、Googleで何かのキーワードがヒットして訪れているひとは結構いるんじゃないだろうか。このブログはこれまで、アクセスカウンターしか付けていなかったので、詳しいことは分からないけど、4000回以上のアクセスがあるということは、検索で来た方や、検索エンジン自体のロードがかなりあると、(あまり根拠もなく)思っている。
たとえ決まったテーマでなくても書き連ねていれば、優れた技術によって、誰もがアクセスできる公共データベースの一部となっていく。そんな時代に生きていることを、実感できる体験として、Blogは本当に面白いものだ。

いずれ、決まったテーマでのBlogにも挑戦してみたいけど、いまのぼくのペースはこんな所だ。ぼくの文章はほとんどの人にとって「玉石混交」の石かもしれないが、何処か何時かの誰かにとって、玉になるかもしれない、なんてロマン(笑)を感じながら書いていたりする。

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妊婦様

妻は臨月を迎えて、しばらく機嫌が悪かった。体が重くて思うように動けないこと、…だけではない。簡単にいうと、妻が実家に帰ってから、ぼくがお腹の子どものことをちゃんと考えていない。ぼくももっと心配しながら過ごしてほしいとのことだった。
といっても、些細なことだ。妻に携帯メールか電話を毎日していないと、責められた。

毎日連絡をとるダンナもいるんだろうが、ぼくにはできそうにない。妻は産休から1ヶ月以上が経って、仕事をしていたときのことを忘れたらしい。二人で働いていたときには、家に帰ってから食事を一緒にするのが精一杯で、疲れてそのまま寝てしまうこともあった。仕事を持ち帰らなければならないこともあった。ぼくは今まで通り働いているのだから、メールもできないときもある。
しばらくのわがままかな。妊婦向けの情報雑誌にあったけど、「妊婦様」だね。

子ども産まれたら、もっと大変なんだろうな。二人で仕事ができるかどうか、さらに心配になってきた。

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インテルの特許報酬

CNET JapanにインテルCTOによる講演についての記事があった。その中で、インテルにおける技術者への特許報酬についての言及がある。ASCII24の記事をあわせて読むと、この部分は記者からの質疑応答でのやり取りだったようだ。

Intelでは特許取得に結びついた研究に対して、研究者に約1000ドルのボーナスが支給されるという。

CTO自身が自らは10件と言っているので出願ではなく、特許成立に対してのインセンティブだと思われる(インテルCTOならもっと出願しているだろうという推測だが)。ぼくは妥当な金額だと思う。インテルのような複雑な工程を経て商品を生産するメーカでは、一つの特許で市場独占ができることはほとんどない。いまのインテルは市場独占状態だけども、いくつもの特許はもちろん、特許に馴染まない生産技術や、設計、販売、本社機構(人事、経理…)の総合力によってその地位が築かれているのであって、個々の特許に対するインセンティブは10万円程度というのは適切だとぼくは思う。他社に対して重要なアドバンテージが確保できる特許であればさらに上積みがあるかどうかは知らないけれど、成立までならそれぐらいだろう。
中村裁判で発明対価に注目が集まっている。東京地裁でのいくつかの判例(日立、日亜、味の素)では、たいへん高額な判決が続いている。これらはいずれも重要特許で稀な例かもしれない。それにしても高いな、とぼくは思っている。開発はリスクを伴うものだ。もしも、開発によって得た成果を十分に受けたいのであれば、自らでベンチャーを興して、資金を調達してから開発すべきであって、企業の中にいる限りあまりに高額な報酬を望むべきではないと思う。これは技術者の立場を卑下しているのではない。商品が世に出るには多くの人の力が必要なのだ。商品によって得られた報酬原資があるとして、それがわずか一握りの基礎開発メンバーに多く割り振られるとしたら、いささか不公平だと考えるのだ。発明報酬が行き過ぎれば、基礎開発に携わっていない人のモチベーションが下がりかねない。

発明報酬をマネジメント一環としてとらえれば、「きわめて高い発明報酬を用意している会社」は生き残ることができるだろうか? 分からない。絶好調企業(例えばインテル)で大発明したらどういう待遇になるんだろうか?興味のあるテーマだ。
その逆はわかる。「大発明しても社員に報いない会社」は社員に訴えられるだろう。このころの特許報酬裁判で訴える人って、自分の技術の誇り以上に会社への不満を感じる(これも勝手な想像だが)。人事処遇って難しいね。これも、別の意味で興味のあるテーマだ。

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災難…少しですんだが。

ぼくにとっては面白いサイトを見つけた。mx-kさんによる-VAIO side-というサイトで、ここではソニーのバイオMXシリーズ(とその後継のMXSシリーズ)の立派なユーザーズ・グループが形成されている。ぼくはVAIO MXS2のユーザなのだけど、最近までこのサイトを知らなかった。
ぼくは自宅でこのPCを使っている。Windowsマシンとしては独特のデザインなので、会社のPCとは違った雰囲気で使えるのが気に入っている。このPCをソニーは「Music Server」と宣伝したけど、送風関係の動作音が大きいのでステレオの代わりには使えない(クラシックでは特に)。それでも、しっかりしたアンプが付いているので音がしっかり鳴らせるところは良い。それにDV編集や写真レタッチなど購入前はそれほど考えていなかった用途に使えたのが良かった。自作PCならもっと安く作れることは分かるけれども、自分が思いもしていなかった使い方を提案してくれるという点で、メーカ品PCを買う意味は十分にある。
購入から2年が過ぎて、少し手直しをしたいと思っていたところで、「VAIO side」を見つけた。さっそく、DriveImage 2002でバックアップ・イメージを作成してから、いくつかのVAIO sideで取り上げられたいくつかのソフトウエア(例えばCPUの送風コントロール)を試してみた。こういうディープなドライバはインストールに危険があるので、一通り実験が終わったら最初に作ったバックアップをもとに戻すつもりでいた。で、DriveImageで復元を試みたが、…エラーで止まってしまった。
最初はたいしたエラーではないと思っていたが、何度やっても同じ場所で読み込みができずに止まってしまう。これまでDriveImageで失敗したことがなかったので、イメージを作成するときにはベリファイ(書き込み確認)をしてなかった。これがいけなかったのだろう。ううっ、災難。
結局、別に取っていた1ヶ月前のイメージから復元した。この1ヶ月は試験勉強があったので、ほとんどPCを更新していなかったのは不幸中の幸い。DriveImageでエラーになったイメージからも、付属のImageExploreを使って部分的にはデータを復活できた。メインドライブだけで30GBもあるから、バックアップが億劫(おっくう)になっていたけど、今回は本当にちょっと冷や汗をかいた。

「♪よーくかんがえよー、データは大事だよー、るーる るーる るるるー」(ネタ元とオチはこちら 11/19の日記

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懲りてはない。気に入っているPCをもっと良くするために、「VAIO side」でのネタをいくつかチャレンジしてみようと考えている。今度はベリファイつきでバックアップを取ってからね。「VAIO side」の管理人であるmx-kさんは、SONY MXからNEC TX(水冷PC)に乗り換えたらしい。ぼくはもう少しMXSを静かに動かすチャレンジをしてみるつもり。NECの水冷機は魅力的だけど、今のバイオもあと2年は使えると思うので。

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JIS漢字コード表が改正

経済産業省のWebサイトを見ていたら JIS漢字コード表の改正について(04/02/20) という文書があった。JISの漢字コード表の例示字形のうち162字について、文部科学省の指針に沿って表記を変更するという内容だ。地名や人名に使われる漢字が多い。サカキバラさんの「榊」という字の真ん中や福井県サバエ市の「鯖」のつくり(青の月/円)が改訂されている。
これまでPC上で表示できないので有名だった東京都カツシカ区の「葛」の字も変更されている。 葛飾区のWebサイト にはちゃんと 「葛」の字情報 というページがある。このページではもうすでに、今回のJIS改正にも触れられていて改正を歓迎しているようだ。ちなみに 鯖江市のWebサイトではトップページ左上のの画像は「円」になっているがこれについての注釈が一切ない。ほとんどのPCからはキャラクタ(本文の文字部分)は「月」で見えているだろうに。
ぼく自身も自分の名前が異体字で書けるものだから、気になる話題だ。通産省管轄のJISの字が文部省の指針と異なっているというのはずいぶん前から問題になっていた。昔、月刊ASCIIにあった「高千穂遙の大混戦 かかってきなさい!」という連載で作家の高千穂さんが通産省のせいで「遙」の字が正しく出ない、と怒っていた(と記憶しているがググッても出てこない…。すごく面白いエッセイだったんだけど、本はもう手元にない)。
約20年前(1983年)のJISでは24ドット以下でも表現できるように省略字体が優先されたようだ。人名や地名はアイデンティティにつながるから、あちこちで軋轢(あつれき)を産むことになった。この20年で通産案(経産省案?)が幅を利かして書き文字が中国の簡体字のような文字が変更される前に、PCが複雑な文字を表示できるように進化してくれて良かった、とぼくは思っている。
PCの漢字問題は根が深い。トメやハネまで考えると思ったように表示するのは大変だ。例えば「空」の5画目のトメハネを覚えているだろうか? 小学校ではトメで習ったはず。でも、明朝やゴシックのフォントではデザイン上の理由なのかこの5画目がハネている。ぼくの妻は小学校の教師だが、学校用のプリントは教科書体フォントで印刷するようにしている。教科書体だとトメハネを小学校流に表示できる。

最近、漢字に凝っているのは産まれてくる子どもの名付けを考えているからだ。最近出版されてベストセラーになっている 白川静の常用字解 を買ってときどき読んでいる。常用字解には常用漢字以外の人名漢字が載っていないので名付け勉強用には少し不便だけど、文字の由来がほかの漢和辞典より詳しくて面白い。職場で常用字解の話をしたら、白川字書三部作(字統、字訓、字通)を持っている人や買いたいと思っている人がいて、少しびっくりした。だって白川さんの本は普通の漢和辞典じゃないし、ぼくも最近まで知らなかったので。白川さんというのは本当に信頼されている学者さんだ。
異体字の話は 現代日本の異体字―漢字環境学序説 国立国語研究所プロジェクト選書が面白かった。これは本屋で立ち読みしただけ。でも興味深い内容だった。「正しい漢字」って奥が深い。

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